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ちょうどいいと思った。
その日に限ってはアイスがドロドロに溶けていく嫌な暑さが。


二日酔いの頭をくねらせながら、トイレへと駆け込む。


最悪だ。


15分おきぐらいだろうか。
トイレに駆け込む、ベッドに横たえるを繰り返していた。


まだ真新しい真赤なダルトンを引き寄せ、背中のつまみを捻る。
窓を閉め切った真夏の部屋は、とても真っ当な思考で過ごせる環境ではない。
室温は40度に近い。馬鹿じゃないだろうか。


3回ほどそんなトイレとの行ったり来たりを繰り返した頃、隣で寝ていた
友達も目を覚ました。


最悪な気分のまま無理矢理また眠ることにした。





代官山で待ち合わせがあった。


時間は14時。
ちょうどいい時間に目が覚める。


吐き気は収まったものの、まだ頭は痛い。
でも、行かなくては、行かなくてはならない理由はどうしても変えられない。


サーマル腹巻の付いたイージーパンツを履き、タンクトップを着る。
上にはラメが編みこまれた薄手のカーディガン。今日は帽子は要らない。
ハワイアナスビーサンはやっぱり心地いい。
社会人の癖に塗りっぱなしのペディキュアが若干剥がれかけているが
たいして重要ではないので無視をする。


東横線が近かった頃は本当に便利だったと思いながら、小田急に飛び乗った。
今日はついている。頭はガンガンするが、電車はすぐに来た。


代官山に着くと、約束していた友はまだ来ていなかった。
というよりも早く着きすぎた。
本を読みながら待っていると、やってきた。
こっちに全く気付いていない。
とりあえず、声をかけないでみていることにした。