「あんたの手って温かいよね」
「やっぱり?よく言われる。心が冷たいらしいよ」
「それ古い。あたしは冷たいから。だからあんたの手、好きよ。
温かくて。気持ち良い」
「そうか?俺はお前みたいに冷たい手の方が気持ちいいけど」


彼女は、自分は冷え性だからと自嘲気味に笑った。


「疲れたら今日みたいに抱いてよ。あんたの手をかして」


そう言うと彼女は寝息を立てて、眠った。