27歳になったら
あの子は泣きながら言った。
「あたしは多分27歳になったら死んでしまうのよ。根拠は無いけどきっと。
昔からそんな気がしてるの」
僕は、それを聞きながら何も根拠も無い思い込みで泣く彼女を激しく
愛おしく思った。
僕は、彼女の27歳を見届けることなく離れた。
今どこで何をしているのか。知らない。
あの日彼女がそう言って、涙を拭っていつもの笑顔で、僕に助けを求めた時
から2年が経とうとしてる。
僕は、今日、おそらく僕のことを好いてくれていた人に対して、とても
ひどいことをした。
あの子のことが気がかりで、まだ助けたいと思っていて、どうにもこうにも
進めない。
進むことが怖い。
進んだら後悔してしまうんじゃないだろうか?
僕は忘れたいから今の子を利用してしまっているんじゃ無いだろうか?
甘えているだけじゃないだろうか?
本当は迷惑をかけているだけじゃないだろうか?
そんな風に思う。
これから何年経ったら僕はちゃんと進めるのかわからない。
まったく見当もつかない。